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Atlas · 頸部

僧帽筋

僧帽筋は首、背中の上部、肩甲骨をつなぐ筋肉です。肩の上や肩甲骨の間に痛みが出ることがあり、頭痛を伴う場合もあります。圧痛のある部分が原因だと判断する前に、首の動き、肩の働き、筋力を比較して診察します。治療では、無理なく動ける範囲を広げ、負荷に少しずつ慣れていくことを目指します。

僧帽筋
身体部位
頸部 · 上背部 · 肩
トリガーポイント
12
この筋に記載
よくある症状
4
記録されたパターン
よくある原因
4
関連する因子

筋肉の概要

症状と最初の対処

最初にできる対処

  • 作業に変化をつけ、役立つ場面では前腕を支えましょう。一日中、肩を下げたまま固める必要はありません。
  • 現在の耐えられる範囲に合わせて、腕を引く運動、肩をすくめる運動、頭上へのリーチを少しずつ練習します。
  • やさしく動かすことは、一時的に楽になる方法の一つです。首を強く引き伸ばしたり、ボールで痛むほど押したりする必要はありません。

評価を受ける目安

  • 新たに肩が下がる、肩甲骨が浮き上がる、著しく力が入らない場合、特に首の手術後では速やかな診察が必要です。
  • 腕の筋力低下、広がるしびれ、手先の動かしにくさ、歩き方の変化があれば、神経学的な評価を受けてください。
  • 突然の、いつもと違う激しい頭痛や首の痛みに、見え方・話し方・バランスの異常、手足の症状を伴う場合は、救急受診が必要です。

上部・中部・下部線維は、肩甲骨を動かす際に協調して働きます。下部線維の付着部は肩甲棘の内側端付近で、肩甲骨下角ではありません。痛みのマップだけから、どの線維が関係するかを決めないようにします。

診察・触診・治療の根拠

筋肉と痛みの図解

僧帽筋

青色は対象の筋肉を示します。×印は代表的なトリガーポイントの位置、陰影は関連痛が現れる可能性のある範囲です。これらの例は、下に番号付きで示す各ポイントと一対一に対応するものではありません。痛みの広がりには個人差があり、この図だけで原因を診断することはできません。

画像内の表記は英語です。

筋肉と痛みの図解

Trapezius · Anatomy and referred pain 1

Representative source regions. The illustrated markers and pain pattern are not individual assignments to the numbered trigger points.

画像内の表記は英語です。

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トリガーポイント

1. TrP1 (上部線維)

位置。 頸部から肩、上背部

トリガーポイントの分布図
僧帽筋 — Trapezius · Trigger-point examples 1元のサイズで画像を開く

筋肉の領域を示す参考図です。選択した番号のトリガーポイントだけを示す図ではありません。

関連痛の分布図
僧帽筋 — Trapezius · Referred-pain pattern 1元のサイズで画像を開く

筋肉の領域を示す参考図です。選択した番号のトリガーポイントだけを示す図ではありません。

関連痛。 頸部、肩、頭部側面

関連痛のパターン

  • 後頭部
  • 頭部側面
  • 側頭部
  • 顎
  • 頸部
  • 肩
  • 眼の奥

この痛みが、どのように感じられるか

荷物を運ぶ、手を伸ばす、腕を使い続けるといった動作の後に、局所の痛みが気になることがあります。肩関節と頸椎も診察します。 肩甲骨の間のうずくような痛みは、引く動作や腕を支えることで変わる場合があります。場所だけでは、僧帽筋、菱形筋、脊柱、肋骨に関連する痛みを区別できません。

患者さんからよく伺うお話

  • 頸部のこり
  • 頸部から始まる頭痛
  • 眼の奥の痛み
  • 肩の緊張
  • 頭を回すのが困難

症状が悪化しやすい状況

  • 頭を回す
  • 下を見る
  • ストレス
  • 寒冷
  • バッグの携行
  • パソコン作業
関連する運動を見る (46)

患者が訴える症状

肩の上がうずく 荷物を運ぶ、手を伸ばす、腕を使い続けるといった動作の後に、局所の痛みが気になることがあります。肩関節と頸椎も診察します。

肩甲骨の間がつらい 肩甲骨の間のうずくような痛みは、引く動作や腕を支えることで変わる場合があります。場所だけでは、僧帽筋、菱形筋、脊柱、肋骨に関連する痛みを区別できません。

首を動かすと痛む 肩越しに後ろを確認したり下を向いたりする動作が難しくなることがあります。筋肉が短くなったと決めつけず、制限される動きを記録します。

首の不快感に頭痛を伴う 首の筋肉の圧痛と頭痛が併存する場合があります。頭痛が起こるタイミングや随伴症状を確認し、頭痛自体の診断も行います。

よくある原因

身体にかかる負荷の変化 慣れない持ち上げ動作、荷物運び、トレーニングは、現在の耐えられる負荷を超える場合があります。活動をすべて有害と考えず、どの作業と症状が結びつくかを確認します。

動きの変化が少ない作業を長く続ける 机に向かう作業や楽器の演奏を続けると、症状が出ることがあります。姿勢を一つに固定するのではなく、楽な支え方や動き方を選びます。

睡眠とストレス 睡眠不足やストレスは痛みや回復に影響しますが、慢性的な虚血やトリガーポイントの存在を示すものではありません。

首や肩の問題が併存する 関節痛、肩の負荷に耐える力の低下、副神経の損傷などで筋肉の使い方が変わる場合があります。それぞれに応じた対応が必要です。

臨床家と指導下の学習者向け

臨床資料

診察では、普段の首や肩の痛みが再現されるかを記録します。頭痛と腕の症状は、それぞれの臨床的な特徴に沿って評価します。

解剖と触診

解剖学的な位置関係

僧帽筋は表層にある幅広い筋肉です。後頭部・項部と胸椎の正中部から、鎖骨外側、肩峰、肩甲棘へ広がります。上部線維は肩甲骨の挙上、中部線維は内転に関与し、下部線維は上方回旋と後傾に協調して働きます。運動を主に支配するのは第XI脳神経の副神経です。[20][21]

  • 上部:首の後ろから肩へ続く筋肉の隆起、鎖骨外側、肩峰が目印です。
  • 中部:肩甲棘と、その内側端から胸椎上部の正中へ続く組織を確認します。
  • 下部:胸椎下部の正中から肩甲棘の内側端へ向かう斜めの線維です。肩甲骨下角は周辺の位置を把握する目印であり、停止部ではありません。

周辺の組織。 深層には肩甲挙筋、菱形筋、胸部の脊柱伸筋群があります。副神経は後頸三角を横切ってから僧帽筋に入ります。胸部の筋層の下には肋骨と胸膜があります。

触診

患者さんの体位。 上部線維は、座位で前腕を支え、頭を楽な位置にして調べます。中部・下部線維では、額と腕を支えた腹臥位を用います。うつ伏せがつらい場合は側臥位にします。

解剖学的な目印を確認する

  • 筋肉をたどる前に、肩峰と肩甲棘を確認します。
  • 肩をすくめる、肩甲骨を寄せる、腕を無理なく斜めに上げる動作を短く行ってもらい、調べる領域を確認します。その後、力を抜きます。

診察の手順

  1. 上部の筋肉の隆起には広くやさしく触れ、首の前方へ指を押し込みません。
  2. 中部線維は、指の腹を平らに当てて肩甲棘から内側へたどります。下部線維では、表層の斜めの組織を胸椎下部の正中へ向かって確認します。
  3. 左右を比較し、感じた痛みが普段の症状かを尋ねます。場所、広がり、再現された動きを具体的に記録します。解剖に基づく診察であり、ポイントの位置を特定する妥当性が確認された手順ではありません。

所見を記録する

  • 局所の圧痛や索状硬結(タイトバンド)を記録することはありますが、正常な組織にも圧痛は生じます。
  • 筋力低下、筋萎縮、肩甲骨の浮き上がりがあれば、圧を強くするのではなく運動機能を診察します。

限界と注意点

  • 鎖骨上窩を圧迫しないでください。鋭い痛み、電気が走る感覚、広がる症状を我慢して押し続けないようにします。
  • 圧を加えた反応だけでは、僧帽筋と深層の菱形筋・肩甲挙筋を確実に区別できません。
  • 首や胸郭の上で、ご自身で針を刺したり深く押したりする方法は案内しません。
[20][21][19]

診察と検査

3

頸部の自動運動と症状の反応[18][19]

繰り返し比較できる頸部運動の基準を記録し、別の評価が必要な症状を確認します。

体位
座位で体幹を支え、視線を水平に保ちます。検者は前方と側方から観察します。
手技
無理のない範囲で、左右への回旋・側屈と、屈曲・伸展をゆっくり自力で行ってもらいます。再評価でも同じ傾斜計または角度計を用い、普段の痛みが出始める位置と、局所にとどまるか腕へ広がるかを記録します。最終域でさらに押し込む操作は行いません。
陽性所見
繰り返しても同じ運動制限や普段の首の痛みが出る、新たに腕の先へ症状が現れるといった所見を記録します。トリガーポイント陽性を決める基準値はありません。
解釈
動きに応じて変わる局所の反応は、無理なく始められる運動を選ぶ参考になります。腕の痛み、感覚の変化、筋力低下があれば神経学的診察につなげます。
限界
複数の筋肉、関節、神経が一緒に動くため、可動域の制限から痛む筋肉を一つに特定することはできません。めまい、見え方の異常、いつもと違う激しい頭痛、神経症状が出たら中止します。楽に動かせても血管の病気を否定できません。

僧帽筋上部・中部・下部の負荷への反応を比較する[20][18]

肩甲骨を使う課題で、痛みと筋力低下を分けて評価し、運動の開始点を選びます。

体位
肩すくめは座位で行います。腕を水平に広げるT字姿勢と、斜め上に広げるY字姿勢は、頭を支えた腹臥位で親指を上に向けます。頭上の姿勢やうつ伏せで痛む場合は、支えを使った座位の方法に替えます。
手技
軽い抵抗下での肩すくめ、肩甲骨を寄せながらT字姿勢で腕を少し上げる動作、上方回旋を伴う無理のないY字挙上を比較します。まず負荷なしで行い、可能なら腕の遠位部に軽い抵抗を加えます。体幹の回旋、肩の痛み、肩甲骨の動きを観察し、左右、姿勢、抵抗を記録します。
陽性所見
同じ条件で普段の周辺の痛みが出る、姿勢を保てない、左右の筋力に著しい差があるといった所見です。
解釈
患者さんが制御できる負荷と範囲を選びます。T字とY字では求められる働きが異なりますが、いずれも一つの線維群だけを分離して調べる姿勢ではありません。腕を上げる際に僧帽筋上部が働くのは正常です。
限界
解剖と周辺領域の評価に基づく実用的な機能比較であり、妥当性が確認されたトリガーポイント検査ではありません。腱板の痛み、他の肩甲帯筋、不安も動作に影響します。

副神経の評価:肩すくめと肩甲骨の観察[21]

特に後頸三角への処置や外傷の後に、運動機能の障害がないかを調べます。

体位
肩を観察できる座位で、初めは腕の力を抜きます。
手技
肩の高さ、僧帽筋の筋量、肩甲骨の位置を観察し、下向きの抵抗に逆らう肩すくめを左右で比較します。無理のない腕の挙上も確認します。第XI脳神経をより広く評価する必要があれば、抵抗下で頭を回す力も比較します。
陽性所見
肩すくめの著しい筋力低下、筋萎縮、肩の下垂が一貫してみられ、肩甲骨の動きにも異常を伴う所見です。
解釈
副神経損傷を考え、神経学的評価または専門診療につなげます。必要に応じて電気診断検査を検討します。
限界
痛みのために力が抑えられる場合や、他の筋肉が代償する場合があります。神経の検査であり、痛むトリガーポイントを特定するものではありません。

ほかの原因との鑑別

頸椎神経根症または頸髄症[18][23]

判断に役立つ所見。 皮膚分節に沿う腕の症状、反射や筋力の変化、手先の不器用さ、歩行困難は、僧帽筋の圧痛だけでは説明できません。

次の対応。 神経学的診察を行います。進行する筋力低下や脊髄障害を示す所見があれば、速やかな医学的評価が必要です。

肩関節または腱板の障害[18]

判断に役立つ所見。 腕の挙上や抵抗下での肩の回旋が痛む、他動的な肩の動きが制限される場合は、肩の関与を考えます。

次の対応。 肩甲骨周辺の筋肉が原因と判断する前に、肩の自動・他動可動域と腱板への負荷の反応を比較します。

副神経損傷[21]

判断に役立つ所見。 首の手術や外傷後に、肩が新たに下がる、僧帽筋がやせる、著しく力が入らなくなるといった所見です。

次の対応。 時機を逃さず専門的な診察につなげます。ストレッチやマッサージだけで神経損傷を確認したり治療したりすることはできません。

一次性頭痛または血管の病気を疑う症状[18][19]

判断に役立つ所見。 片頭痛の特徴、新しくいつもと違う頭痛、神経症状や見え方の異常を伴う頭痛は、首に圧痛があっても別途詳しく問診します。

次の対応。 頭痛と血管の病気を念頭に評価します。緊急性のある神経症状や見え方の変化があれば救急対応が必要です。

治療の選択と進め方

臨床の専門家によるケア

僧帽筋の筋筋膜性疼痛に対する高出力レーザー療法(HILT)[2][3][1]

検討する場面。 僧帽筋周辺の痛みが続き、筋筋膜性疼痛の臨床評価を受け、首に関連する活動制限を測定できる場合です。

施術者が痛む僧帽筋上部に治療用高出力レーザーを走査照射し、首と肩の運動を併用します。患者さんと施術者は、使用機器の波長と曝露条件に適合する保護眼鏡を着用します。

実施量と見直し
僧帽筋上部を対象とした一つの試験では、2週間で10回行いました。照射条件は、研究で使われた機器と治療範囲によって異なります。
段階的な進め方
治療期間の終了時に、同じ首の動きでの痛みと、制限されていた活動を一つ比較します。改善を運動の段階的な進行につなげます。
中止・再評価の目安
皮膚が焼けるように痛む、症状の増悪が続く場合は中止します。活動が変わらなければ、追加の施術を見直します。
根拠と限界
試験では、補助療法として痛みと首に関連する機能障害を軽減する効果が報告されています。小規模な2025年の試験では、側屈の改善に追加の利点はありませんでした。それ以前の偽照射対照試験では12週まで評価しています。

臨床の専門家によるケア

ドライニードリング後の電気刺激(PENS・IMES)[4][5]

検討する場面。 ドライニードリングが適切と判断された僧帽筋上部の筋筋膜性疼痛で、施術後の痛みへの対処を検討する場合です。

施術者が刺鍼のリスクと植込み型機器への注意事項を確認し、施術に用いる針を介して電気刺激を加えます。皮膚表面の電極を用いる経皮的電気神経刺激(TENS)とは異なります。

実施量と見直し
研究での針電極による経皮的電気神経刺激(PENS)は、刺鍼後に2 Hz、パルス幅120マイクロ秒で15分間、痛みのない快適な強さで行いました。別の筋内電気刺激(IMES)の試験では、週1回を6週間行っています。
段階的な進め方
施術後24〜72時間の痛みを記録し、同じ首の回旋やリーチ動作を再確認します。追加した刺激が実用的な改善につながる場合に限り継続を検討します。
中止・再評価の目安
耐えられない電気刺激や新たに広がる症状があれば中止します。胸郭周辺への刺鍼後に胸痛や息苦しさが出た場合は、緊急の評価が必要です。
根拠と限界
62人の試験では、PENSを加えると刺鍼単独より直後の首の痛みと短期の施術後痛が軽減しましたが、機能障害での優位性はありませんでした。45人の試験では、IMESを加えても6週・12週の痛みと機能障害は刺鍼単独より改善しませんでした。

臨床の専門家によるケア

局所の僧帽筋上部痛に対する5%リドカイン貼付剤[6][7][8]

検討する場面。 お薬の確認を受けたうえで、僧帽筋上部の限局した痛みに、非侵襲的で短期的な鎮痛方法を検討する場合です。

処方された貼付剤を、痛む部分の傷のない皮膚に貼ります。外から温める器具は避け、他のリドカイン製品の使用と局所麻酔薬へのアレルギーを確認します。引用した米国の添付文書では、筋筋膜性疼痛への使用は適応外です。

実施量と見直し
試験の治療期間は7日間または2週間で、2週間の試験では1日12時間使用しました。引用製品の添付文書では24時間中最大12時間の貼付が認められていますが、実際の使用では、その地域で処方された製品の指示に従います。
段階的な進め方
1〜2週間後に、同じ作業や首を回す動作での痛みを確認します。ほとんど効果がなければ中止します。
中止・再評価の目安
皮膚の刺激感、灼熱感、発疹があれば剥がします。アレルギー症状や全身症状が出た場合は診察が必要です。
根拠と限界
60人の試験では14日目の痛みと機能障害はリドカイン群で良好でしたが、7日目と28日目には優位性がありませんでした。可動域と圧痛閾値にも差はありませんでした。別の小規模な2週間の試験では自発痛が軽減しましたが、持続する効果は不明です。

臨床の専門家によるケア

長引く僧帽筋上部の筋筋膜性疼痛に対するドライニードリング[9][10]

検討する場面。 僧帽筋上部の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と評価され、短期間の痛みの軽減が、手を伸ばす、頭を回す、仕事をするといった動作に役立つと考えられる場合です。

必要な訓練を受けた施術者が、僧帽筋上部と周囲の胸部・頸部構造を確認します。リスクを説明したうえで、運動などの能動的なケアに、回数を区切ったドライニードリングを組み合わせます。

実施量と見直し
パイ・トマらの試験は1回、ガティらの試験は4週間で7回の複合的な治療の一部として行いました。いずれも、すべての方に共通する施術回数を示すものではありません。
段階的な進め方
最初の1週間で、選んだ動作と痛みを再確認します。日常の機能に役立つ改善がある場合に限り、継続を検討します。
中止・再評価の目安
刺鍼後に新たな胸痛や息苦しさが出た場合は、緊急の評価が必要です。増悪が続く場合や新しい神経症状も再評価します。
根拠と限界
パイ・トマらの試験では、僧帽筋への1回の施術後、2〜7日目の鎮痛効果が偽施術より大きい結果でした。43人を無作為化し、41人を解析しています。一方、機械的頸部痛77人を対象としたガティらの試験では、運動・徒手療法に加えるドライニードリングは、1年まで偽施術を上回りませんでした。効果は症状の特徴や併用するケアにも左右されます。

臨床の専門家によるケア

僧帽筋上部のMPSに対する拡散型または集束型の衝撃波治療[11]

検討する場面。 臨床評価を受けた僧帽筋上部の筋筋膜性疼痛が続き、運動、ドライニードリング、非侵襲的な選択肢を比較して検討する場合です。

施術者が上部線維の対象部位と機器を選び、解剖と耐えられる刺激に合わせて調整します。この研究結果は、僧帽筋のすべての線維群を対象にしたものではありません。

実施量と見直し
57人の偽施術対照試験では4回の施術を検討しました。抄録から機器の設定や標準的な追加施術の計画を決めることはできません。
段階的な進め方
短い治療期間の後、リーチや仕事での痛みを確認します。追加の治療は、活動に役立つ改善が得られているかを踏まえて判断します。
中止・再評価の目安
増悪が続く場合や、新たに腕の神経症状が出た場合は再評価します。
根拠と限界
2025年の拡散型・集束型・偽施術の比較試験では、両機器でより大きな痛みの改善が報告され、6か月まで評価されました。ただし、各群が小規模で、開始時の症状持続期間に偏りがあり、抄録内の視覚的アナログ尺度(VAS)の記述にも不整合があります。全般的な機能を測るHAQでは群間の優位性は示されていません。

臨床の専門家によるケア

局所麻酔薬の注射:条件を検討したうえでの短期的な選択肢[12][13][14]

検討する場面。 限局した僧帽筋上部のMPSと診断され、改善したい具体的な動作がある一部の方が対象です。慢性の体軸性頸部痛に注射を一律に行うことは推奨されていません。

医師が超音波ガイド下での局所麻酔薬注射を検討する場合、出血、感染、胸郭内の損傷リスクも説明します。リーチや首を回す動作をどの程度改善したいかを共有し、運動などの選択肢と比較します。

実施量と見直し
個別に処置を行い、その後に評価します。注射を自動的に連続したり、ステロイドへ段階的に切り替えたりする計画ではありません。
段階的な進め方
直後の効果と2〜4週間後の痛み・機能を比較します。効果が短い、または得られない場合は診断を見直します。
中止・再評価の目安
新たな息苦しさ、胸痛、神経機能の障害、感染の徴候があれば、速やかな診察が必要です。
根拠と限界
80人の試験では、リドカインのトリガーポイント注射は生理食塩水の筋膜間注射より10分後の鎮痛が速く、2〜4週間後には優位性がありませんでした。首・肩の研究では、リドカインと理学療法を組み合わせても鎮痛効果は上乗せされませんでした。2025年の慢性体軸性脊椎痛のガイドラインは、筋肉内注射を一律に行わないよう推奨しています。

臨床の専門家によるケア

ボツリヌストキシン:通常の治療ではなく、選択した症例で専門家と検討する[15][16][17]

検討する場面。 十分な運動などのケアを受け、専門家が他の診断を検討した後も、頸部・肩甲帯の筋筋膜性疼痛で生活への大きな支障が続く場合です。

周辺領域の試験結果が一致していないこと、首や肩の筋力低下の可能性、製剤による作用の違いを説明します。ジストニアや慢性片頭痛は、別の診断・治療の手順で対応します。

実施量と見直し
一般的なMPSに対する標準用量や反復間隔は確立していません。再治療を話し合う前に、過去のボツリヌストキシンへの反応を評価します。
段階的な進め方
仕事、睡眠、リーチなどで測定できる目標を決め、その後の数週間で効果と筋力の両方を確認します。
中止・再評価の目安
筋力低下や機能の低下は再評価が必要です。飲み込みにくさ、または息苦しさがあれば、緊急に医学的評価を受けてください。
根拠と限界
132人の用量比較試験では12週まで有効性が示されませんでしたが、背中の上部を対象とした試験では5週でアボボツリヌストキシンAが優位でした。別の試験では、最初に治療した114人から反応のあった54人を選んだ場合に限り、再治療の優位性が示されました。僧帽筋に特有の適応が確立したわけではありません。

セルフケアと活動

症状を誘発する作業を調整する[18]

検討する場面。 進行する神経機能の障害がなく、机上作業、荷物運び、長時間のリーチに症状が伴う場合です。

前腕を支える、よく使う物を近くに置く、重い荷物を分ける、姿勢を変えるなどを試します。実際の作業が楽になるかを比較しましょう。身体を固め続けたり、肩甲骨を常に後ろへ寄せたりする必要はありません。

実施量と見直し
実用的な例として、つらさが増す前に仕事の自然な区切りで姿勢を変える、短く歩くといった方法があります。特定の姿勢や休憩間隔が僧帽筋の治療として検証されているわけではありません。
段階的な進め方
動き方の選択肢を保ちながら、作業時間や負荷を少しずつ戻します。
中止・再評価の目安
調整しても動作が改善しない場合や、筋力低下、感覚の変化、途切れない痛みが現れた場合は診察を受けてください。
根拠と限界
首・肩周辺のセルフマネジメントの一部です。作業環境の工夫は個人に合わせた支援であり、姿勢が痛みの原因だったと証明するものではありません。

運動とリハビリテーション

肩甲帯と肩の筋力を段階的に養う[22][18][20]

検討する場面。 負荷で変わる症状が続いていても、安全に動かせる範囲があり、原因不明の運動機能障害がない場合です。

肩甲骨の内転には軽いローイングやT字挙上、挙上には制御した肩すくめ、上方回旋を使う課題には壁で支えたウォールスライドや腹臥位のY字挙上を選びます。耐えられる動きだけを用い、首を楽に保ち、肩甲骨の自然な動きを妨げないようにします。

実施量と見直し
調整可能な開始例は、1〜2種目を各6〜10回、1〜2セット、週に連続しない2日で行う方法です。アンダーセンらの試験手順ではありません。
段階的な進め方
最後の数回まで動きを制御でき、翌日に悪化しなければ、まず回数、次に抵抗やリーチの高さを増やします。必要なら、この例より少ない量から始めます。
中止・再評価の目安
増悪が続く場合は負荷を減らします。新たな筋力低下、腕のしびれ、鋭い関節痛、動かせる範囲の減少があれば中止して評価します。
根拠と限界
僧帽筋痛のある女性を対象とした試験は、対象を絞った筋力トレーニングを支持しています。頸部のガイドラインも首・肩甲帯の運動を勧めていますが、この種目の組み合わせが特定の線維群を治すと示されたわけではありません。

運動とリハビリテーション

首の動きを少しずつ広げる[18][19]

検討する場面。 機械的頸部痛と評価され、無理なく動かせる方向があり、神経や血管に関連する症状が進行していない場合です。

体幹を支え、頭を小さな楽な範囲でゆっくり回して中央に戻し、反対側も行います。側屈は無理なく行える場合にだけ加えます。呼吸を続け、手で頭を引っ張らないようにします。

実施量と見直し
頸部のリハビリテーションから応用した開始例として、左右各3〜5回を1日1〜2回行います。症状が出やすい場合は、さらに少ない量から始めます。
段階的な進め方
回数より先に楽に動ける範囲を広げ、歩きながら横を見るなどの実際の課題につなげます。症状が開始前より強いままなら、次回の量を減らします。
中止・再評価の目安
腕のしびれ、筋力低下、めまい、見え方の変化、いつもと違う頭痛が出たら中止します。鋭い痛みや続く増悪があれば、量を減らして再評価します。
根拠と限界
頸部のガイドラインは、総合的なリハビリテーションの中で自ら動かす運動を支持しています。示した回数は開始の一案であり、症状と課題への耐えやすさに合わせて調整します。

臨床の専門家によるケア

僧帽筋周辺の症状に対する持続圧迫[24][25]

検討する場面。 首・肩の筋筋膜性疼痛と評価され、普段の症状と一致する圧痛があり、首を回す、荷物を運ぶなど改善したい活動が具体的にある場合です。

座位または側臥位で腕と肩を支え、触れられる範囲の僧帽筋上部または中部を診察します。施術者が普段の症状を再現する組織を選び、合意した許容範囲で徐々に圧を加えて保持した後、選んだ動作を繰り返します。触れ方と圧は、診察所見と患者さんの反応に合わせます。

実施量と見直し
試験では週1回を4週間行い、登録された手順では選んだ4か所の痛む部位に各約60秒の圧を加えました。この日程は参考とし、耐えられる程度と実用的な改善に応じて圧迫時間や追加の通院を調整します。
段階的な進め方
治療期間の前後で、選んだ課題での痛みと首に関連する機能障害を記録します。首を回す、仕事をする、荷物を運ぶといった活動にも改善が及ぶ場合に限り継続し、通院の間は無理のない運動を行います。
中止・再評価の目安
腕の先のピリピリ感、しびれ、皮下出血、続く増悪が生じる圧迫は中止します。新しい神経症状があれば、局所への治療を追加する前に評価します。
根拠と限界
女性の事務職員42人を対象とした試験では、持続圧迫とドライニードリングの群間差は有意ではありませんでした。両群とも治療後と3か月後の機能障害が改善し、痛みは3か月後に改善しました。複数部位を扱う試験であり、両治療の同等性、僧帽筋だけの効果、偽施術を上回る効果を証明するものではありません。

再評価と経過観察

  • 同じ方法で首の回旋角度を測り、患者さんが選んだ肩越しに後ろを見る動作も再確認します。
  • 同じ物と条件を用いて、無理なく頭上へ手を伸ばせる高さや、棚へ物を置ける位置を記録します。
  • 圧痛だけで判断せず、続けられる作業・運搬の時間、荷物の重さ、翌日の反応を追います。
  • 初回に左右差や運動機能への懸念があった場合は、肩すくめの筋力と肩甲骨を動かす際の制御を再評価します。

根拠と出典

  1. OSHA: Guidelines for Laser Safety and Hazard Assessment

    2026 · 公的なレーザー安全指針(2026年閲覧)

    年は参照年です。保護眼鏡はレーザーの波長と必要な光学濃度に適合させます。クラスIVレーザーの使用では、眼の保護とビーム管理が必要です。

  2. Effect of high-intensity laser therapy in the management of myofascial pain syndrome of the trapezius: a double-blind, placebo-controlled study

    2015 · プラセボ対照無作為化試験

    慢性の僧帽筋筋筋膜性疼痛がある女性に、HILTと運動、または偽照射と運動を行いました。4週・12週の痛みと首に関連する機能障害はHILT群で良好でした。

  3. The Effects of High-Power Laser Therapy on the Treatment of Patients with Myofascial Trigger Points in the Upper Trapezius Muscle: A Randomized Controlled Trial

    2025 · 無作為化試験

    40人が参加し、同じ理学療法プログラムにレーザーを追加すると、2週間後の痛みと首に関連する機能障害が改善しました。側屈に群間の優位性はなく、偽照射群やその後の追跡評価もありません。

  4. León-Hernández et al. Dry needling and percutaneous TENS for post-needling soreness in chronic myofascial neck pain

    2016 · 無作為化試験

    僧帽筋上部に活動性ポイントがある62人が対象です。刺鍼後の電気刺激と刺鍼単独を比較し、72時間追跡しました。

  5. Brennan et al. Dry needling alone versus dry needling with intramuscular electrical stimulation

    2021 · 無作為化試験

    45人が参加し、週1回を6週間行い、痛みと機能障害を12週まで測定しました。電気刺激を加えても6週・12週の効果は上乗せされませんでした。

  6. Lin et al. Therapeutic effects of lidocaine patch on myofascial pain syndrome of the upper trapezius

    2012 · プラセボ対照無作為化試験

    60人が参加し、7日間治療して28日目まで追跡しました。群間の優位性は一時的でした。

  7. Firmani et al. Effect of lidocaine patches on upper trapezius EMG activity and pain intensity

    2015 · プラセボ対照無作為化試験

    36人が参加し、5%リドカインまたはプラセボ貼付剤を1日12時間、2週間使用しました。開始時点で圧痛閾値と筋電図に差があり、解釈には限界があります。

  8. LIDODERM 5% lidocaine patch: prescribing information

    2022 · 公的な処方情報

    帯状疱疹後神経痛に対する米国の添付文書で、筋筋膜性疼痛への使用は適応外です。傷のない皮膚への使用、貼付時間の上限、熱への曝露、局所麻酔薬アレルギーを扱っています。

  9. Pai, Toma et al. Dry needling has lasting analgesic effect in shoulder pain: a double-blind, sham-controlled trial

    2021 · 無作為化臨床試験

    慢性の肩のMPSで僧帽筋を治療し、43人を無作為化、41人を解析しました。1回の施術と偽施術を比較し、鎮痛の優位性は2日目に現れ、7日目まで続きました。短い観察期間から持続的な効果は判断できません。

  10. Gattie et al. Dry Needling Adds No Benefit to the Treatment of Neck Pain

    2021 · 無作為化臨床試験

    機械的頸部痛の成人77人に、4週間で7回の診療を行いました。徒手療法・運動に加えたドライニードリングは、4週・6か月・1年のいずれも偽施術を上回りませんでした。

  11. Şenlikci et al. Comparison of the efficacy of radial and focused extracorporeal shock-wave therapy in myofascial pain syndrome

    2025 · 無作為化臨床試験

    57人に対し、僧帽筋上部への拡散型、集束型、偽施術を4回行いました。著者らは鎮痛効果を報告していますが、抄録内ではVASの変化の方向が一致していません。HAQや抑うつにも群間の優位性はなく、6か月時点の効果量を強く主張していません。

  12. Tantanatip et al. Comparison of the Effects of Physiologic Saline Interfascial and Lidocaine Trigger Point Injections in Treatment of Myofascial Pain Syndrome

    2021 · 無作為化臨床試験

    僧帽筋上部のMPS80人を対象に、超音波ガイド下リドカイントリガーポイント注射と、生理食塩水の筋膜間注射を比較しました。10分後はリドカインが優位でしたが、2週・4週では差がありませんでした。注射する組織面と手技も異なります。

  13. Lugo et al. Treatment of myofascial pain syndrome with lidocaine injection and physical therapy, alone or in combination

    2016 · 無作為化臨床試験

    135人を無作為化し、除外後の127人を対象に、首・肩のMPSへの理学療法、リドカイン、両者の併用を比較しました。併用しても1か月・3か月の鎮痛効果は上乗せされませんでした。

  14. Commonly used interventional procedures for non-cancer chronic spine pain: a clinical practice guideline

    2025 · 診療ガイドライン

    慢性の体軸性脊椎痛では、ステロイドの有無にかかわらず、局所麻酔薬の筋肉内注射を行わないことを強く推奨しています。急性痛やあらゆる末梢の疼痛症候群を対象にした推奨ではありません。

  15. Ferrante et al. Evidence against trigger point injection technique for the treatment of cervicothoracic myofascial pain with botulinum toxin type A

    2005 · 無作為化臨床試験

    132人を無作為化し、患者さんごとに選んだ活動性ポイントで、3段階のボツリヌストキシン用量と生理食塩水を比較しました。12週までの痛み、圧痛閾値、追加の鎮痛薬使用量に優位性はありませんでした。

  16. Göbel et al. Efficacy and safety of a single botulinum type A toxin complex treatment for upper back myofascial pain syndrome

    2006 · 無作為化臨床試験

    個別に選んだ圧痛部位10か所で、アボボツリヌストキシンAと生理食塩水を比較しました。5週時点で痛みが軽い、またはない割合は51%対26%でした。対象は背中の上部の痛みであり、僧帽筋単独の有効性を示してはいません。

  17. Nicol et al. Botulinum toxin type A injections for cervical and shoulder girdle myofascial pain using an enriched protocol design

    2014 · 無作為化臨床試験

    最初に114人を治療し、反応のあった54人を、ボツリヌストキシンの再治療または生理食塩水に無作為化して12週間追跡しました。過去に反応した方への再治療を支持する結果であり、選別していない方への初回治療の成功率ではありません。

  18. Blanpied et al. Neck Pain: Revision 2017

    2017 · 診療ガイドライン

    頸部の評価と複合的なリハビリテーションを扱います。個々のトリガーポイントの妥当性を検証したものでも、このページに示す運動量の例を規定したものでもありません。

  19. Rushton et al. International IFOMPT Cervical Framework

    2023 · 国際的な臨床評価の枠組み

    頸部への介入前に、問診を中心として血管の病気の可能性を評価する枠組みです。特定の姿勢をとる検査で、血管リスクがないと確実に判断することはできません。

  20. Anatomy, Back, Trapezius

    2023 · 解剖学の参考資料

    付着部、線維群、作用、副神経との関係を扱います。解剖情報は治療効果の根拠とは異なります。

  21. Walker. Cranial Nerve XI: The Spinal Accessory Nerve

    1990 · 診察に関する参考資料

    抵抗下で頭を回す、肩をすくめる検査は、副神経の運動機能を調べます。トリガーポイントの妥当性を評価するものではありません。

  22. Andersen et al. Effect of two contrasting types of physical exercise on chronic neck muscle pain

    2008 · 無作為化対照試験

    僧帽筋痛のある働く女性で、筋力トレーニングを支持する結果でした。他の集団や線維群にどこまで当てはめられるかには限界があります。

  23. Wainner et al. Reliability and diagnostic accuracy of the clinical examination and patient self-report measures for cervical radiculopathy

    2003 · 前向き診断研究

    選択された82人が対象です。単独の誘発検査より、所見を組み合わせた評価のほうが参考になりますが、推定値の信頼区間は広い結果でした。

  24. Comparing Trigger Point Dry Needling and Manual Pressure Technique for the Management of Myofascial Neck/Shoulder Pain: A Randomized Clinical Trial

    2017 · 無作為化試験

    女性の事務職員42人に週1回を4週間行い、治療後と3か月後に評価しました。主に僧帽筋と肩甲挙筋を含む首・肩の複数部位が対象で、持続圧迫とドライニードリングに有意な差はありませんでした。偽施術との比較や、単独の筋肉の効果は示していません。

  25. Dry Needling Versus Manual Pressure in Patients With Neck/Shoulder Pain — NCT02301468

    2014 · 登録済み試験プロトコル

    手順は、選択した4か所の痛む部位に各約60秒、週1回を4週間行うものです。登録された圧迫器具や力の増やし方は、セルフケアの指示ではありません。解析人数や有効性の判断には、予定募集数ではなく公表された結果を用います。

関連するトリガーポイント