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Atlas · 前腕

回外筋

回外筋は肘に近い橈骨を取り巻き、手のひらを上へ返す働きを助けます。ひねる動作で前腕外側の深い場所が痛むときは、肘外側の腱の痛みや橈骨神経の働きと比較します。

回外筋
身体部位
前腕
トリガーポイント
1
この筋に記載
よくある症状
3
記録されたパターン
よくある原因
3
関連する因子

筋肉の概要

症状と最初の対処

最初にできる対処

  • 回す力を繰り返し使わずに済むよう、ラチェット式工具や電動工具を利用してください。
  • 軽い作業では、肘を楽な角度に曲げておきます。
  • 肘の外側より少し下を強く押さないでください。

評価を受ける目安

  • 指や親指を伸ばす力が新たに低下した場合、または手首が垂れて上げにくい下垂手がある場合は、早めの診察が必要です。
  • 外傷後に前腕を回せる範囲が狭くなった場合、腫れがある場合、肘の痛みが急速に悪化する場合は、評価を受けてください。

橈骨神経深枝は回外筋を通り、後骨間神経へと続きます。周囲には軽く触れる程度にとどめ、痛みに筋力低下が伴う場合は指を伸ばす力も調べます。

診察・触診・治療の根拠

筋肉と痛みの図解

Supinator · Anatomy 1

Anatomical view of the illustrated muscle.

画像内の表記は英語です。

元のサイズで画像を開く

トリガーポイント

1. 回外筋

位置。 肘近傍の前腕深部外側

トリガーポイントの分布図
回外筋 — Supinator · Trigger-point examples 1元のサイズで画像を開く

筋肉の領域を示す参考図です。選択した番号のトリガーポイントだけを示す図ではありません。

関連痛の分布図
回外筋 — Supinator · Referred-pain pattern 1元のサイズで画像を開く

筋肉の領域を示す参考図です。選択した番号のトリガーポイントだけを示す図ではありません。

関連痛。 肘に近い前腕外側と、肘の外側

関連痛のパターン

  • 肘に近い前腕外側
  • 肘の外側
  • 手の甲の症状は別に評価する必要があります

この痛みが、どのように感じられるか

工具を回す、手のひらを上にして物を持ち上げるといった動作で、肘に近い前腕外側が痛むことがあります。テニス肘の誤診と決めつけず、腱・筋肉・神経の所見を比べます。診察で指を伸ばす力の低下が認められれば、評価の進め方が変わります。

患者さんからよく伺うお話

  • ひねると前腕の外側がうずく
  • 手のひらを上にして持ち上げると痛む
  • ドライバーを使い続けにくい

症状が悪化しやすい状況

  • 力を入れて手のひらを上へ返す動作
  • 工具を繰り返し使うこと
  • 手のひらを上にして持ち上げる動作
関連する運動を見る (7)

患者が訴える症状

肘に近い前腕外側のうずく痛み 外側上顆と橈骨頭を目印に、痛む場所を確認します。

手のひらを上に返すときの痛み 肘の角度を変えて比べ、痛みと筋力低下を区別します。

工具作業での疲れ 圧痛だけでなく、回す力と作業時間も記録します。

よくある原因

強くひねる動作の繰り返し 手動工具やひねる作業の負荷が、現在の耐えられる範囲を超えることがあります。

肘のけがや関節の動きの制限 回す途中で引っかかる、または痛む場合は関節を調べます。

橈骨神経の障害 肘に近い前腕の痛みと併存することがあり、神経学的な診察が必要です。

臨床家と指導下の学習者向け

臨床資料

回外での痛みは、回外筋、上腕二頭筋の遠位部、橈骨神経管周辺の問題で重なります。それだけで筋肉のトリガーポイントとは判断できません。

解剖と触診

解剖学的な位置関係

回外筋は上腕骨外側上顆、橈骨輪状靱帯・橈側側副靱帯、尺骨近位部から起こり、橈骨近位3分の1を取り巻くように着きます。[1][2]

  • 肘関節の外側から少し遠位にある橈骨頭
  • 橈骨を覆う前腕近位の背外側

周辺の組織。 表層には橈側の手関節伸筋群と指伸筋群があります。橈骨神経深枝は、近位のアーケード付近で筋層の間を通ります。

触診

患者さんの体位。 座位で肘を曲げて前腕を支え、手首の力を抜きます。

解剖学的な目印を確認する

  • 検者が前腕をそっと回し、外側上顆と橈骨頭の位置を把握します。
  • 腱の起始部と、その遠位にある深い領域を区別します。

診察の手順

  1. 筋肉を探すために深く押すのではなく、手のひらを上に返す軽い動きを観察します。
  2. 力を抜いた後、前腕近位の外側に広く軽く触れ、反応を比べます。
  3. 痛みがその場にとどまるかを記録します。遠位に症状が出たら中止してください。

所見を記録する

  • 表面からの触診だけで、深層の回外筋を、その上にある伸筋群と確実に区別して評価することは困難です。

限界と注意点

  • 橈骨神経管を圧迫し続けたり、神経痛を意図的に誘発したりしないでください。
[1][2]

診察と検査

2

抵抗に逆らう前腕回外テスト[1][2]

症状を誘発する回転方向で、痛みと力を測ります。

体位
座位で肘をある程度曲げて支え、前腕を中間位付近に保ちます。
手技
患者さんに肩を動かさず手のひらを上へ返してもらい、検者は軽い回転抵抗を加えます。痛む場所と力を記録して左右を比べます。より肘を伸ばした姿勢は、耐えられる場合にだけ試します。
陽性所見
近位橈側の前腕に普段の痛みが出る、または筋力低下が繰り返し認められること
解釈
局所の痛みは負荷調整の手がかりになります。肘の前側が痛めば上腕二頭筋遠位部を、橈側の深い痛みがあれば神経の関与を検討します。
限界
上腕二頭筋も大きく働きます。回外時の痛みだけでは、回外筋や橈骨神経管の障害という診断には不十分です。

指・親指・手首を伸ばす運動機能の確認[2][3]

回外の痛みに加えて、運動機能の低下がないかを調べます。

体位
手のひらを下にして前腕を支え、初めは指の力を抜きます。
手技
軽い抵抗を加えながら、指を付け根の関節で伸ばす動き、親指を伸ばす動き、手首を反らす動きをしてもらいます。左右を比べ、手首が親指側へ偏るかも観察します。
陽性所見
指や親指を伸ばす力の低下が続くこと。特に、手首を反らす力は比較的保たれている場合です。
解釈
後骨間神経、またはさらに近位の橈骨神経の障害を考えます。圧痛だけでは説明できない所見です。
限界
痛みで力を出しにくい場合があります。障害部位を絞るには、全体的な神経診察と適切な検査が必要です。

ほかの原因との鑑別

外側肘腱障害[4]

判断に役立つ所見。 痛みの中心が外側上顆にあり、握る動作や手首を反らす動作で最も強くなります。

次の対応。 腱の触診と、伸筋に負荷をかけたときの反応を比べます。

橈骨神経管症候群、または後骨間神経障害[2]

判断に役立つ所見。 近位橈側の前腕の深い痛みと、診察で認められる指・親指の伸展筋力低下を区別します。痛みを主とする症候群と運動麻痺を分けて評価します。

次の対応。 神経学的な診察を行い、客観的な機能低下があれば原因を調べます。

上腕二頭筋遠位部、または近位橈尺関節の障害[2]

判断に役立つ所見。 手のひらを上にした持ち上げ動作での肘前面痛、けがに伴う皮下出血、他動回旋の制限や引っかかりなどです。

次の対応。 腱と肘関節を調べます。急性の筋力低下や外傷がある場合は、早めに評価してください。

治療の選択と進め方

セルフケアと活動

繰り返すひねり作業の力を減らす[3]

検討する場面。 負荷に伴う前腕の痛みがあり、進行する運動機能低下がない場合です。

ラチェット式工具や電動工具を使い、安全なら左右の手を交代させます。作業位置を体に近づけ、肘を楽な角度に曲げておきます。

実施量と見直し
1回の作業を短くする方法や作業内容の変更を、複数回試します。
段階的な進め方
症状が速やかに元の状態へ戻るなら、回す力を強める前に作業時間を増やします。
中止・再評価の目安
新たな指の筋力低下、感覚の変化、工具を安全に扱えなくなることがあれば、評価が必要です。
根拠と限界
作業方法の調整は、職業性神経障害のガイダンスで支持されています。ただし、回外筋だけに由来する痛みへの治癒効果を示すものではありません。

運動とリハビリテーション

軽い負荷で手のひらを上へ返す運動[1]

検討する場面。 筋肉への負荷による痛みと評価され、他動回旋と運動機能が保たれている場合です。

肘と前腕を支え、中間位から手のひらを上へ向けてゆっくり回し、元へ戻します。抵抗なしで楽に動かせるようになってから、手にごく軽い抵抗を加えます。

実施量と見直し
開始例は1日おきに5〜8回です。てこの腕を短くし、無理に伸ばさないようにします。
段階的な進め方
翌日の反応を見ながら、まず回す範囲を広げ、次に抵抗と作業時間を増やします。
中止・再評価の目安
鋭い関節痛、神経症状、続く悪化があれば中止してください。
根拠と限界
解剖と作業内容を踏まえたリハビリテーションの例です。回外筋のトリガーポイントだけを対象とした試験の手順ではありません。

臨床の専門家によるケア

前腕の痛みが続く場合のハンドセラピィ計画[2][3]

検討する場面。 ひねる作業の制限が続く場合や、橈骨神経の問題が疑われる場合です。

腱、関節、運動機能の所見を整理し、作業変更、役立つ場合の適切な支持具、段階的な運動を選びます。神経症状が誘発されても、圧迫を強めて対処しないでください。

実施量と見直し
機能と神経学的所見に応じて、個別に再評価します。
段階的な進め方
工具を安全に使えるか、伸ばす力がどう変わるかを追います。客観的な筋力低下が続けば、専門的な検査へ進みます。
中止・再評価の目安
麻痺の進行や機能低下があれば、遅れずに医療機関で再評価を受けてください。
根拠と限界
橈骨神経に対する保存的ケアは、主に臨床経験と限られた研究に基づきます。回外筋内の一点に対する注射、衝撃波、ボツリヌス毒素の治療法は、ここでは確立していません。

再評価と経過観察

  • 抵抗に逆らう回外と、指・親指を伸ばす力を再び左右で比べます。
  • 定めた軽い回転負荷の工具作業を追い、圧痛部を繰り返し押すことは避けます。
  • 同じ肘の角度で、自力で手のひらを上に返す範囲と、検者が動かした場合の範囲を比べます。他動運動の制限が続く場合は、関節を中心に評価します。

根拠と出典

  1. University of Washington Muscle Atlas: Supinator

    2026 · 大学の解剖学参考資料

    2026年9月に閲覧した資料で、年は閲覧年です。筋の起始・停止と働きを支える解剖資料であり、トリガーポイントの診断や運動の有効性を示すものではありません。

  2. Radial Tunnel Syndrome

    2023 · 臨床の参考資料

    前腕の近位橈側の痛みと、運動麻痺を伴う後骨間神経障害を区別する資料です。誘発テスト一つで診断が決まるわけではありません。

  3. Washington State: Work-Related Radial Nerve Entrapment—Diagnosis and Treatment

    2010 · 産業保健の診療指針

    書式は2023年に更新されていますが、ガイドライン自体は2010年のものです。作業調整と神経学的評価を参照します。米国の当該地域における手術承認の規則は、この案内に適用していません。

  4. Lucado et al. Lateral Elbow Pain and Muscle Function Impairments

    2022 · 診療ガイドライン

    外側肘腱障害の評価、手関節伸筋への段階的な負荷、ドライニードリングを扱うガイドラインです。その診断と腱の標的は、ECRB筋内の圧痛点とは区別します。

関連するトリガーポイント