運動とリハビリテーション
困っている動作に向けて、楽な範囲で動かす[3]
検討する場面。 動作に伴う首の痛みについて、評価を受けた方。
頭を枕に預け、「はい」と小さくうなずくように動かします。頭を持ち上げたり、後ろへ強く押しつけたりしないでください。終わったら力を抜いて開始位置へ戻します。
- 実施量と見直し
- 開始量の一例は、ゆっくり3〜5回を1日1回です。症状が出やすい場合は、動く範囲を小さくします。
- 段階的な進め方
- まず心地よく動ける範囲を広げ、その後、楽なうなずきや短い読書を練習します。当日の遅い時間帯と翌朝に症状を確認し、次回の量を決めます。
- 中止・再評価の目安
- 新たな強い頭痛、見え方の異常、めまい、腕の症状、または練習後も続く悪化がある場合は中止してください。
- 根拠と限界
- 頸部を対象としたガイドラインは、能動的なリハビリテーションを支持しています。これは臨床で応用した練習例です。特定の筋肉に対する効果を示す根拠ではありません。
セルフケアと活動
頭の位置が長く変わらない作業を調整する[3]
検討する場面。 読書や近い距離での画面作業中に、症状が積み重なってくる方。
見ている物を楽な位置へ移し、前腕を支えます。作業の合間に、短く心地よい動きを取り入れましょう。枕は朝の楽さを目安に高さを選びます。首のカーブを一律に決めて選ぶ方法ではありません。
- 実施量と見直し
- いつもの作業で実行しやすい変更を1つ選び、数日間試します。
- 段階的な進め方
- 楽に続けられる作業時間を少しずつ延ばし、日常動作に役立った工夫を続けます。
- 中止・再評価の目安
- 悪化が続く、新しい頭痛の特徴が出る、大きな外傷の後に症状が生じた場合は、再評価が必要です。
- 根拠と限界
- 頸部のケアに関する助言を、実際の作業に応用した方法です。読書や頭の回しやすさ、朝の症状を手がかりに、役立っているかを判断します。
臨床の専門家によるケア
頸原性頭痛に対する頸椎モビライゼーション[7]
検討する場面。 頭痛と頸部について事前評価を受け、頸原性頭痛と判断された方。症状に関連する頸部可動制限がある場合です。
訓練を受けた医療者が、耐えられる範囲の、急なスラストを伴わない頸椎関節モビライゼーションと、首の動きを自分で調整する練習を選ぶ場合があります。頭痛の日数と強さに加え、いつもの頭を回す課題も評価します。後頭下部の圧痛だけでは頭痛の診断はできません。
- 実施量と見直し
- 200人を対象とした試験では、6週間に8〜12回、1回30分以内の通院治療を行いました。担当者と治療計画を相談し、延長する前に頭痛と動きの変化を見直します。
- 段階的な進め方
- 期間を区切り、頭痛日誌を見直し、頭を回す動作をどの程度無理なく行えるか確認します。自分で動きを調整でき、日常動作が改善してきたら、手技によるケアを減らしていきます。
- 中止・再評価の目安
- 普段と違う強い頭痛、新たな神経症状、視覚症状、平衡感覚の異常が出たら、中止して評価を受けてください。繰り返すたびに頭痛が悪化する操作は続けません。
- 根拠と限界
- 試験では、手技または低負荷運動による頭痛の頻度・強さの改善が12か月まで認められました。両者の併用は、いずれか単独より統計学的に優れてはいませんでした。手技群では関節モビライゼーションと高速のマニピュレーションの両方が認められていました。この結果は、スラストを伴わないモビライゼーションだけに帰せません。後頭下筋群だけをマッサージした効果も示していません。
臨床の専門家によるケア
評価済みの頸原性頭痛に対するドライニードリング[6][2]
検討する場面。 頸原性頭痛が続き、頸部筋の圧痛を含む症状について臨床評価を受け、能動的なケアに補助治療を加えたい方。
相応の訓練を受けた医療者と、頭痛リハビリテーションにドライニードリングを組み込むか検討します。処置する部位は診察後に選びます。アトラス上の印だけでは、処置の計画は立てられません。
- 実施量と見直し
- 期間を区切った試行とし、頭痛と機能の評価項目をあらかじめ相談して決めます。引用した研究の治療スケジュールは、全員に当てはまる標準コースではありません。
- 段階的な進め方
- 治療後と経過観察時に、頭痛の強さ、読書や頭を回す動作への耐えやすさを確認してから、再度行うかを判断します。
- 中止・再評価の目安
- 普段と違う強い頭頸部痛や神経症状が出たら中止します。処置を計画する際は、深部の神経・血管の位置関係を考慮する必要があります。
- 根拠と限界
- 69人を対象にしたランダム化研究では、頸部筋へのドライニードリング追加を調べました。痛みと生活上の支障について、上乗せ効果が6か月まで報告されています。ただし、臨床的な意味のある差は小さく、頭痛の頻度には有意差がありませんでした。後頭下筋群の効果を、同時に治療した他の筋肉から分けて検討した研究ではありません。