
治療でつまずきやすい場面
図解よく見られる治療上のつまずき
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セルフケアで気をつけたい場面
硬すぎる道具から始めてしまう
いきなり硬い道具や刺激の強い道具を使うと、ほぐすつもりが逆に組織を刺激してしまいやすくなります。
別のやり方として柔らかめで扱いやすい道具から始め、組織の反応を見ながら少しずつ強さを調整していく関節や背骨に直接圧をかけてしまう
骨の出っ張りに直接圧をかけても、筋肉そのものに比べて効きにくく、不快さも強くなりがちです。
別のやり方として骨や関節のラインではなく、筋腹や張りを感じる軟部組織を狙うようにする施術中に息を止めてしまう
体に力を入れて呼吸が止まると、組織がかえって緩みにくくなり、防御反応が強まりやすくなります。
別のやり方として呼吸はゆっくりと一定に。体ができるだけリラックスしたままでいられるよう意識する鋭い痛みを我慢して続けてしまう
強い感覚が必ずしも有効な刺激とは限りません。鋭くなる痛みや徐々に増していく痛みは、押しすぎのサインとして扱う方が無難です。
別のやり方としてつらく感じるのではなく「効いている感じ」が続く程度の圧を目安にするやる日とやらない日のばらつきが大きい
ある日に長くやって翌週はまったくやらない、という形よりも、シンプルでも一定のリズムで続けるほうが積み上げやすくなります。
別のやり方として生活に組み込みやすい短めの時間で、続けられる頻度に整えるいきなり冷えた状態から始めてしまう
冷えてこわばった組織に急に強めの刺激を入れると、うまく反応しないことがあります。
別のやり方として効果が安定して感じられる場合は、軽い動きや温めを先に取り入れて準備する医療機関での治療で気にかけたい点
専門領域の経験が浅い場合
すべての医療者がトリガーポイントの評価、関連痛、筋筋膜性疼痛(MPS)の考え方に習熟しているとは限りません。
確認しておきたい点パターンを分かりやすく説明してくれる、関連する筋肉を実際に診てくれる、動きや姿勢の全体像とつなげて治療を組み立ててくれる評価が短時間で終わってしまう
評価が短すぎたり局所だけにとどまったりすると、姿勢、睡眠、ストレス、関連痛、隣り合う筋肉などの背景要因が見落とされやすくなります。
確認しておきたい点痛みの出方、動き、原因の候補、悪化要因まで含めて、構造立てて確認してくれる誰にでも同じ手順を当てはめてしまう
すべての患者さんに同じプロトコルを使うと、ご自身の状況に固有の特徴を捉えにくくなることがあります。
確認しておきたい点ご自身の痛みの広がり、刺激への反応のしやすさ、これまでの経過、回復の傾向に合わせて計画を立ててくれる症状だけを追いかけてしまう
症状の強い時期だけを追いかけて、背景にある負荷、姿勢、睡眠の習慣に触れない治療では、思うように前に進みにくいことがあります。
確認しておきたい点何がつらいかだけでなく、なぜ繰り返しやすいのかを一緒に整理してくれる一つの方法だけに頼ってしまう
マッサージのみ、注射のみ、運動のみ、といった単一の手段でうまくいく方もいますが、多くの場面では段階を踏んだ多面的な組み合わせのほうが向いています。
確認しておきたい点複数の手段が互いを引き立てるかたちで組まれている計画になっている回復の各時期で気をつけたい場面
治療直後
おすすめのやり方: 短い回復時間を確保し、水分を補い、無理のない動きで体をなじませる。「強さ」ではなく、その後の動きやすさで治療の良し悪しを振り返る
- 重い負荷や繰り返しの作業に早めに戻ってしまう
- 強めの治療のあと、水分補給、睡眠、回復のための時間を後回しにしてしまう
- 筋肉痛のような感覚を、必ず「効いている証」と決めつけてしまう
回復の途中
おすすめのやり方: 段階的に活動量を戻し、自宅でのエクササイズを続け、揺り戻しのきっかけになりやすい癖を整えていく
- 完全な安静を長くしすぎてしまう
- 自宅で取り組むプログラムをそのまま放置してしまう
- 症状を強めていた以前の習慣に、急に戻ってしまう
長期の維持期
おすすめのやり方: 無理のない維持習慣を続け、再発のサインに早めに対処し、回復に関わる要因への取り組みを長く続けていく
- 楽になったとたんに、予防のための習慣を一斉にやめてしまう
- 再発の早めのサインを、つらくなるまで見過ごしてしまう
- ストレス、睡眠、ペース配分を、痛みとは別の話として扱ってしまう
治療をうまく進めるための考え方
焦らず続けること
多面的に組み合わせる
背景の要因にも目を向ける
ご自身でできる手立てを増やす
パターンを観察する
理解のある医療者と連携する
焦らず続けること
長く続いてきた痛みのパターンは、時間をかけて出来上がっていることが多いものです。改善は、強さよりも続けることに支えられる場面が多くあります。
多面的に組み合わせる
局所のケア、運動、回復のサポート、生活習慣や作業環境の見直しを一緒に進めると、うまく前に進みやすい方が多いといえます。
背景の要因にも目を向ける
症状を呼び込んでいる要因が見えてきて、それが少しずつ減っていくと、症状も戻りにくくなる傾向があります。
ご自身でできる手立てを増やす
何が助けになるか、何で悪化するか、早めに何ができるかを掴んでいくと、ご自身の感覚として手応えにつながりやすくなります。
パターンを観察する
痛みの変化、疲れやすさ、睡眠、活動への反応は、落ち着いて続けて見ていくと、治療を進めるうえでの手がかりになります。
理解のある医療者と連携する
良い医療者は、状況を分かりにくくするのではなく、より見通せる形に整理する手助けをしてくれます。