
治療選択ガイド ― フローチャート概要
Flowchart Overview簡易チェック
質問 1 / 6
痛みが続いている期間はどのくらいですか?
治療のステップアップ
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の治療は、段階を踏んで進めるのが望ましいとされています。多くの方は基盤の取り組みで改善が見られ、より複雑な治療まで進む必要がない場合も少なくありません。
よりよい治療計画とは、ご自身が理解でき、無理なく続けられ、主治医と一緒に時間をかけて調整していけるものです。

Treatment Ladder
Stepwise Approach Diagram基盤づくり
- セルフケア:温熱・セルフマッサージ・ストレッチ
- 人間工学的な改善
- 睡眠の質の改善
- ストレスと回復への気づき
ほとんどの方にとって、出発点として検討しやすい段階です
専門家による治療
- 徒手療法/理学療法
- 運動プログラム
- ドライニードリング(鍼に抵抗のない方)
- 疼痛の教育
基盤の取り組みだけでは十分でない場合に、次のステップとして検討されます
より踏み込んだ介入
- トリガーポイント注射
- 体外衝撃波療法
- お薬(外用または内服)
- 認知行動療法(CBT)
症状が長引く場合や、より重度・複雑な場合に検討されることが多い段階です
包括的なアプローチ
- 集学的疼痛治療プログラム
- 選択された症例での先進的な介入
- 必要に応じた複合的な薬物療法
- リハビリテーションと心理的ケアの連携
治療抵抗性が高い、あるいは複雑な病状の場合に検討される段階です
治療法の比較一覧
| 治療法 | エビデンス | 費用の目安 | 鍼・注射 | セルフ実施 | 効果までの期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| セルフケア(温熱・セルフマッサージ・ストレッチ) | 強い | ¥ | なし | はい | 数日〜数週間 |
| 徒手療法 | 強い | ¥¥ | なし | いいえ | 数日〜数週間 |
| ドライニードリング | 強い | ¥¥ | あり | いいえ | 直後〜数日 |
| トリガーポイント注射 | 強い | ¥¥¥ | あり | いいえ | 直後 |
| TENS | 中程度 | ¥ | なし | はい | 直後 |
| 体外衝撃波療法 | 中程度 | ¥¥¥ | なし | いいえ | 数週間 |
| 鍼治療 | 中程度 | ¥¥ | あり | いいえ | 数週間 |
| 運動療法 | 強い | ¥ | なし | はい | 数週間 |
| 疼痛の神経科学教育 | 強い | ¥ | なし | 一部可 | 数週間 |
| 認知行動療法(CBT) | 強い | ¥¥ | なし | 一部可 | 数週間〜数か月 |
| 睡眠の質の改善 | 中程度 | ¥ | なし | はい | 数週間 |
| お薬(外用・内服) | 中程度 | ¥〜¥¥ | なし | はい | 数日 |
治療の進め方でよくある落とし穴
基盤を飛ばしてしまう
睡眠・姿勢・運動・セルフケアといった基盤的な取り組みを行わないまま、より踏み込んだ介入から始めると、結果が安定しにくいことが指摘されています。
受け身の治療に偏る
施術を受けるだけで、能動的なリハビリの要素が不足してしまうと、一時的な楽さは得られても、再発しにくい状態を作るところまでは届きにくい場合があります。
持続因子をそのままにする
作業負荷・姿勢・睡眠不足・ストレス・動作の癖など、トリガーポイントが生まれ続ける要因が変わらないままだと、再発しやすい傾向があると考えられています。
途中で治療を切り上げてしまう
ある程度楽になった時点で治療を中断される方が多いものの、再発を防ぐだけの体の余力が戻り切っていない段階のこともあります。
症状だけを治療し、全体像を持たない
お薬や対症療法そのものは役立ちますが、痛みの源と持続因子に対する見立て・計画と組み合わせた方が、より活きやすいと考えられます。
画一的に当てはめてしまう
よりよい治療計画は、痛みの期間・分布・反応性、これまでの治療への反応、ご本人の希望、生活上の制約などを踏まえて組み立てるのが望ましいでしょう。
次の一歩を踏み出す準備はできましたか?
まずは基盤づくりから始め、主治医と一緒に少しずつ計画を組み立てていきましょう。